宅配ロボからChatGPTまで 注目キーワードまとめ読み
NIKKEI Tech Foresightでは、さまざまな分野の最先端技術や動向、法制度などについて解説する「注目キーワード」を連載しています。今回は、この連載から最近話題のキーワードをいくつかピックアップしました。各記事に掲載している、キーワードの概要をまとめた表も便利です。どうぞこの機会にご活用ください。 歩道走行型配送ロボットとは、近距離の宅配を担う小型・低速のロボットである。近隣の小売店
投資やマーケにオルタナティブデータ 活用へ3つの課題
オルタナティブデータとは、技術の進化によって得られるようになった新たなデータ群を指す。政府や企業が公式に発表する統計データや決算データなど、これまで市場分析や事業分析に使われていた「トラディショナルデータ(伝統的なデータ)」に対し、SNS(交流サイト)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器、POS(販売時点情報管理)やクレジットカードの決済履歴、衛星画像などから得られる「非伝統的なデータ
近距離宅配に歩道走行型配送ロボ 法改正で普及の兆し
歩道走行型配送ロボットとは、近距離の宅配を担う小型・低速のロボットである。近隣の小売店や配達拠点などから、食料品や荷物などを住宅などに届ける手段として活用が期待されている。2023年4月の改正道路交通法の施行で、この配送ロボットに関する規制が大幅に緩和。法律上で「遠隔操作型小型車」として定義され、管理者が遠隔から監視・操作することで公道(歩道)での自律走行が可能となる。EC(電子商取引)事業を手
DX人材育成に「デジタルスキル標準」 政府が学習支援
デジタルスキル標準とは、ビジネスパーソン個人に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する学習指針や、DXを推進する企業が人材を確保・育成するうえでの指針をまとめた文書を指す。経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が2022年12月に公開した。 デジタルスキル標準は、ビジネスパーソンがDXを自分ごとと捉えて変革に向けて行動できるようになることを目的とした学びの指針「DXリテラシー標準」
賢い搬送ロボット「AMR」、EV活用も 新規参入相次ぐ
AMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)とは、工場・倉庫で部品や製品を積載したり、部品や製品を積載した台車をけん引したりして指定した場所まで自動で移動するAGV(無人搬送車)の一種だ。経路を指示する磁気テープや光反射テープ、QRコードなどのガイド(誘導体)に従って移動する従来のAGVとは区別するのが一般的となっている。 AMRの多くは、LiDAR(レーザーレ
「自動運転対応道路」で走行支援 公共交通で実証進む
自動運転対応道路とは、車線の位置や交通状況などの情報を車両に提供して自動運転を支援する道路のことだ。車載センサーで把握できる情報には限りがあるため、車両側だけの技術で完全に自動走行するのは難しい。道路側から周囲の状況を俯瞰(ふかん)的に把握して車両に提供すれば、よりスムーズで安全な走行が可能になる。 路面にマーカーなどを設置して車両の位置をより正確に把握する技術は、既に実証実験が進んでいる。地下
「QUIC」でWebページ表示を高速化 最新HTTPの標準に
QUICとはUDPをベースとした汎用通信プロトコルである。IETF(Internet Engineering Task Force)が2021年に「RFC 9000」として勧告し、新たなインターネット標準技術となった。2022年に「RFC 9114」にて勧告されたHTTP/3は、トランスポート層プロトコルとしてQUICを採用した。 特徴はHTTP/2のトランスポート層で使われているTCPと比べ、
セルロースナノファイバー 1兆円市場へマイクロ併用
セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などの植物から取れるセルロースを数〜数十nmに微細化して造る繊維である。①鋼の1/5の軽さながら5倍以上の強度を備える、②熱変形が小さい、③表面積が大きい、④透明度が高い、⑤液体にチキソ性(静止状態で固まり、力を加えると流動する)を付加できる、⑥ガスバリア性を有する、といった変幻自在な特性を持つ。日本発の高機能材料として大きな期待を集め、2012年時点で
ブロックチェーン技術で組織運営「DAO」 法整備も進展
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、ブロックチェーン技術を使うことで特定のリーダーや管理者を置かず、ある目的を達成するための組織を参加者が協業して運営する形態を指す。日本語では分散型自律組織と訳される。 参加者は互いに平等な立場で運営に関わることができ、組織運営や利益分配などのルールはブロックチェーン上で動作する取引自動化のプログラム「スマー
ホログラフィックディスプレー実現に道 3D映像自然に
ホログラフィックディスプレーは、物体の映像を光の強弱や色だけではなく、位相情報、つまり光の波の振動のタイミングも「ホログラム」として記録し、それを再生する「ホログラフィー」技術を用いて、より自然な立体映像を表示できるディスプレーである。これまで実用化は難しいとされてきたが、課題解決に向けたアイデアが最近になって出てきた。 既存のディスプレーの多くは、位相情報は用いていない。これまでの3次元(3D