ブラジル中銀、政策金利を13.75%で据え置き 6会合連続
【リオデジャネイロ=宮本英威】ブラジル中央銀行は3日開いた金融政策決定会合で、政策金利を13.75%で据え置くと決めた。据え置きは6会合連続。7人の委員が全員一致で決めた。米国で金融不安が強まっている一方で、国内のインフレは根強いために現行の金利水準を維持した。
中銀は同日の声明で「国際環境は課題が多い。外国の銀行を巡り、不確実性は高まっている」と懸念を表明した。
3月の消費者物価指数は前年同月比で4.65%上昇した。2021年1月(4.56%)以来の低い水準で、23年の中銀目標の上限(4.75%)は下回った。ただボルソナロ前政権による減税策などが寄与した影響が大きい。
金融市場では、今後はむしろ物価は上昇基調になるとの見方が多い。中銀が民間エコノミストの予測をまとめて2日に公表した「FOCUS」では、インフレ率は23年に6.05%と見込まれている。5週間連続で見通しは引き上げられている。
中銀はインフレへの警戒を緩めていない一方で、ルラ大統領は高金利による経済や雇用への打撃への懸念を強めている。「政策金利を13.75%で維持するのは無責任だ」などと中銀の政策批判を繰り返している。